今年最後の初辰さん

気が付けばもう12月、あっという間に過ぎていった2018年。きっと今年の3月から初辰まいりに参加したからなのでしょう。早いものです。そんな初辰まいりの初陣を振り返り、その時の心境を語る時、特にこうして公にする時は、思わず不安や緊張から吐露してしまいがちですが(それらが無かった訳ではないのですが)、「これは好機だ!」という気持ちが圧倒的に大きかったです。

私の花札の原型が出来たのは約8年前。A1用紙ほどの1枚の紙に、各絵札を48枚並べて描いただけの物から始まりました。手直ししていくうちに48枚に入りきらずボツになった武将、アイテム、役など数知れず。かと思えば3年程前に、4人でも遊べるようにと思い、札を64枚に増やしました(前田慶次、黒田官兵衛らよ、ゴメンネ!)。この8年間を「紆余曲折」「試行錯誤」の時期と括って『必要な苦難の時期』などとしてしまう事も出来るでしょう。でも年が、元号が変わろうとしている現在も「紆余曲折」「試行錯誤」は続いています。未だに改善出来る箇所が出てきて完成には至ってません。

8年前と現在で決定的に違うのは、初辰まいりのような「たくさんの人に見てもらえる機会」が殆ど無かった事です。きっと48枚時分でも初辰まいりに出店すればそれなりに受け入れて頂けたのではないか、とそう思います。さらにそこでお客様から感想を聴く事が出来れば、より早く改善して現在の形かそれ以上の物に出来たかもしれません。自分一人で誰の目にも触れる事なく制作して完成を待つよりも、そうした「好機」に巡り合える事が重要だと痛感しました。なのでこの「好機」をくださった大阪伝統工芸品産業振興協議会の川本さんにはこの場を借りて感謝申し上げます。私の精神と作品が非常に鍛えられた1年間となりました。

来年もどうか変わらずこの「二両亭かるた」をよろしくお願いします。

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